令和7年第2回定例会の一般質問において、小粥努議員は「除草作業の現状と対策」および「シニア世代の健康づくりと介護予防」について質問した。
除草作業については、ヤギを活用した除草の実証実験というユニークな施策が示された一方で、高齢化や猛暑の影響により、市単独での除草が限界に達しているという深刻な実態が浮き彫りとなった。これに伴い、市は除草機械の貸出制度を整えて、今後は地域による管理体制を拡大していく姿勢を見せた。
健康づくりにおいては、県平均を下回る健康寿命の延伸に向けた市の取り組みが議論された。市は「ふらっと」でのきめ細やかな相談対応や、eスポーツやフレイル予防教室など、市民が楽しみながら健康づくりに取り組めるような環境を整えており、充実したサポート体制が示された。
質問と回答
質問1
除草作業における課題と対策は何か。
回答: 近年、高齢化による人手不足と猛暑による作業の遅れが課題になっている。機械による効率化を図っているが、市の対応には限界があり、今後は地域の協力が不可欠となる。今後、市が保有する除草機械を貸し出し、地域主体での除草活動を促進していく。
質問2
人材不足の解消や環境への配慮、癒やし効果の面からヤギによる除草を活用する考えはあるか。
回答: ヤギによる除草は環境負荷を減らし、子どもの情操教育にもつながると考える。まずは平田公園近くの大榑川堤防で実証実験を行い、効果や実現性を検証する。
質問3
市が貸し出す除草機械の種類や台数、対象者の条件が知りたい。
回答: 「自走式草刈り機」と「のり面草刈り機」を1台ずつ保有しており、利用状況に応じて増台を検討する。対象者は市内の自治会や事業所などで、ボランティア保険への加入が条件となる。
質問4
ヤギによる除草の実証実験の内容が知りたい。
回答: 平田公園に面した大榑川堤防の一部において、1〜2週間で約100平方メートルの範囲で実施する。実証実験により所要時間、除草可能な草の種別、その他周辺環境に与える影響を確認する。
質問5
子どもの情操教育の一環として、ヤギによる除草の見学会を行う考えはあるか。
回答: 実証実験を平田公園の近くで行うことにより公園を訪れる子どもたちが動物と触れ合える場としても提供したいと考えている。
質問6
海津市のシニア世代における健康づくりの現状と課題が知りたい。
回答: 市の健康寿命は男女ともに県平均を下回っており、健康意識の不足によりがん検診や特定健診の受診率が低いことや、生活習慣病の発症が多いことが課題だ。対策として、今年5月から市内4か所で毎月、くらしの保健室「ふらっと」を開催し、保健師らによる指導や、最新機器を用いた健康チェックの機会を提供している。
質問7
シニア世代の健康づくりや介護予防について具体的な施策が知りたい。
回答: 介護予防教室、脳機能トレーニング教室、ラジオ体操、ウォーキング、介護予防リーダーの派遣などを実施している。今年度は理学療法士による「フレイル予防教室」や、ゲームを楽しむ「eスポーツ教室」を新たに開始する。
質問8
シニア世代の健康づくりや介護予防について、市民への周知や参加促進のための具体的な施策が知りたい。
回答: 市報やSNSなどでの情報発信に加えて、くらしの保健室「ふらっと」や介護予防教室など市民と対面する機会を最大限に活用している。
質問9
くらしの保健室「ふらっと」の場所や実績が知りたい。
回答: 開催場所は、海津総合福祉会館ひまわり、海津温泉、ヨシヅヤ海津平田店、エコドームである。5月の相談者数は、4会場合わせて111人にのぼる。
質問10
くらしの保健室「ふらっと」での健康意識の向上に向けた取組が知りたい。
回答: ふらっとでは、夏は熱中症、冬は感染症というように、季節に合わせた健康テーマを月替わりで設定し、旬な情報を発信することで市民の健康意識を高めていく。
質問11
フレイル予防教室の詳細が知りたい。
回答: フレイル予防教室では、自分の足で歩き続けるために、無理なく毎日続けられる運動方法を理学療法士から直接学ぶことができる。毎月1回、65歳以上の市民(定員20名)を対象に開催する。
質問12
介護予防リーダーの人数や活動状況、今後の予定が知りたい。
回答: 23名が登録し、5グループが月1、2回、高齢者サロンで運動指導を行っている。高齢による引退に対して、養成講座を定期開催することで人数を維持している。
感想
行政の限界と、町を守るための意識変革
今回の質疑では、行政ができることの限界が正直に語られた点が非常に印象的だった。
私自身、日々の生活の中で除草の遅れを痛感することが増えている。かつて子供たちが元気に遊んでいた公園が草に覆われ、立ち入ることさえ難しい状態になっているのを見かける。また、車を運転していても、伸び切った雑草が視界を遮り、右左折時に危険を感じることも少なくない。
こうした光景は、まさに人口減少と高齢化という波が、私たちの安全や思い出の場所を侵食し始めている現実を突きつけている。もはや「行政に任せておけば安心」という時代は終わったのかもしれない。自分たちの街を、自分たちの手でどう守っていくのか。今回の質疑を通じて、私たち市民側の意識変革もまた、避けては通れない段階に来ているのだと強く感じた。

