令和7年第2回定例会の一般質問において、川瀬厚美議員は、海津市の豊かな自然を活用した二地域居住を呼び込むための施策について質問した。
答弁からは、南濃町の絶景を生かした滞在事業や、トウモロコシ畑の迷路といった農地活用のアイデアなど、今後のまちづくりの展望が見えてきた。
特に、古民家を活用した事業が「年内の開始」を目指して具体的に動いていることや、専門法人との連携による空き家対策の加速など、市の前向きな姿勢が示された。
質問と回答
質問1
南濃町の山裾に広がる農地を、二地域居住(複数の地域に拠点を持つ暮らし)などで利用してもらえるようPRできないか。
回答: 南濃町境地内の古民家を活用した「保育園留学事業」や、農作業を体験できる「田舎暮らし体験事業」を年内の開始を目指して準備中である。
質問2
空き家の利活用の取組、計画が知りたい。
回答: 二地域居住に空き家を活用できる環境を整備するため、空き家バンクの運用や、改修費用の補助制度の創設を行った。今後は空家等管理活用支援法人(空き家の利活用に必要な様々な事項をワンストップで行う法人)の指定を行い、公民連携で進めていく。
質問3
本市には、南濃みかんや柿の産地として知られ、濃尾平野を一望できる南濃町地域、そして岐阜県の穀倉地帯と呼ばれる高須輪中がある。こうした素晴らしい環境・資源を活かしたまちづくりについて、市長はどのように考えるか。
回答: この自然豊かな環境の中で行われる本市の農業は、まちの魅力の一つだと思う。
質問4
二地域居住のPRとして、トウモロコシ畑の迷路や収穫体験など農業を通じた集客は考えられないか。
回答: 今後、農作物を生かして推進を図りたいと思う。
質問5
全国古民家再生協会と協定を結び、空き家活用のノウハウを得た上で、民間事業者へ働きかけてはどうか。
回答: 現在、関係法人と意見交換をしながら、知識向上に努めている。
質問6
現在、岐阜県内で「空家等管理活用支援法人」を指定している市町はいくつあるか。
回答: 岐阜県内では、岐阜市で3法人、各務原市で1法人、大野町で1法人が指定されている。
質問7
(支援法人を指定している)それらの市町は、全国古民家再生協会と協定を結んでいるか。
回答: いずれも全国古民家再生協会とは協定を結んでいない。
感想
「選ばれるまち」への生存戦略
今回の質疑を通じて強く感じたのは、「近隣自治体との人口の奪い合いに終始するのではなく、海津市独自のアイデンティティをどう確立するか」という視点の重要性だ。
人口を競う競争には終わりがないし、財政力に乏しい海津市に勝ち目はない。
大切なのは、南濃みかんや柿といった特産品、濃尾平野を一望できるパノラマや豊かな農地といった、海津市がすでに持っている唯一無二のリソースをどう魅力的に見せるか。
市民にとって見飽きた景色も、外から訪れる人々にとっては魅力になり得る。こうした「海津らしさ」を磨き上げ、そこに価値を感じてくれる人々が自然と集まる。そんな「選ばれるまち」を目指すビジョンこそが、海津市だけでなく日本の弱小自治体が豊かになるための唯一の道ではないか。

