令和7年第2回定例会の一般質問において、古川理沙議員は、「日中独居高齢者の支援」と「人口減少を前提とした持続可能なまちづくり」について質問した。
質疑を通じて、人手不足が深刻化するなかで現在の行政サービスを維持することへの、市の強い危機意識が浮き彫りになった。
市は、これまでの「行政主導の仕組み」を、市民や民間事業者と支え合う「共創の仕組み」へと大きく転換する必要がある、との認識を明確に示した。
また、古川理沙議員の提案に対し、市は「ヘルプカード」を誰もが気軽に携帯できる「安心カード(仮称)」へと名称変更し、内容の見直しを図っていく考えを示した。
質問と回答
質問1
2040年に高齢者人口がピークを迎えることを見据え、同居家族の有無に関係なく、日中独居高齢者を対象にした支援事業を拡大する考えはあるか。
回答: (市から明確な回答は無かった)
質問2
地域包括支援センターの役割について周知を徹底していくべきではないか。
回答: 介護認定の有無に関係なく「誰でも相談できる窓口」であることを、市報やホームページ、会議(いきいきクラブ海津、高齢者サロン、民生委員・児童委員の会議)で周知していく。
質問3
エマージェンシーカード(緊急連絡先等が分かるカード)を携帯してもらえるように市でフォーマットを作成する考えはあるか。
回答: 「ヘルプカード」がすでにある。高齢者や障がい者などの希望者には、市役所の窓口にてヘルプカードを配付している。ヘルプカードには、緊急連絡先のほか、病歴やかかりつけの医院などを記入することができ、緊急時の迅速な支援につながる。
質問4
「ヘルプカード」は支援が必要な人向けという印象が強いため、誰でも気軽に持てるような名称に工夫すべきではないか。
回答: 安心カード(仮称)への名称変更や記載内容の見直しを行い、誰でも気軽に携帯できるように検討する。
質問5
介護予防の啓発について現状の取り組みが知りたい。
回答: 介護予防教室で重要性を伝えている。
質問6
専門職員の確保が難しい中、今後の包括支援センターの運営体制はどのように考えているか。
回答: 有資格者の確保、業務の効率化、業務内容の見直しが重要な課題である。質の高い支援を維持するため、他市町の動向を注視しながら、業務の一部委託などについて調査・研究していく。
質問7
人手不足が深刻化する中、現在の行政サービスを維持するためにどのような地域を目指しているか。
回答: 人材不足と地域課題の複雑化・多様化により、行政単独での課題解決は困難になると考えている。そのため、デジタル化や業務委託を進めるほか、市民団体や民間事業者と連携して新たなまちの魅力の創出や地域課題の解決につなげたいと考えている。具体的な施策として、「市民協働推進計画」の策定、「まちづくり協働センター」の開設、「公民 de レンケイ」の設置を実施した。
質問8
地域貢献活動を「住民自治を支える重要な労働力」と捉え、活動のきっかけや継続性を高めるために、特典付きの「ポイント制度」を導入する考えはあるか。
回答: ポイント制度は活動のきっかけや継続に有効な仕組みであると認識している。先進事例を参考に検討を進めていく。
質問9
「公民 de レンケイ」における7つの提案募集は、具体的にどのように募集したのか。
回答: 5月19日、内閣府の「地方創生SDGs官民連携プラットフォーム」を活用し、全国約6,750の民間団体に向けて7つの課題への提案募集を開始した。併せて、市のホームページでも直接募集内容を公開している。
質問10
他自治体の事例を研究し、民間事業者が「海津市と連携したい」と思えるような魅力的なホームページを作る考えはあるか。
回答: 他自治体の事例を参考に、公民連携を促進するホームページ制作に努める。
質問11
「公民 de レンケイ」における7つの提案募集はどのような経緯で選定したのか。
回答: 4月に企画課が全庁に募集し、それをまとめたものである。
質問12
「まちづくり協議会」のモデル地区選定にあたり、地域住民の理解をどのように深めていくのか。
回答: 地域の現状を見える化し、住民に対して「地域のことを地域で考えて取り組む」という意識の醸成を図る準備を進めていく。
質問13
ボランティア活動をポイント対象とするような制度を考えているか。
回答: 他自治体の状況を調査・研究中である。
感想
「行政主導」の終わりによって求められる自助
市が「行政単独での課題解決は困難」と認めたことは、現状がすでに深刻な域に達していることを示唆している。しかし、私はこれを決して後ろ向きな話とは捉えていない。むしろ、行政が抱える限界を市民が正しく認識することは、これからの時代を生き抜くための「健全な一歩」であると思う。
今後は、行政がすべてを担うこれまでの仕組みは機能しなくなるだろう。だからこそ、市民一人ひとりが現状を直視した上で、「自助努力」や「共創」を前提とした新しい地域の形を模索していく必要がある。
行政主導の時代が終わりを迎えていくなかで、私たち市民は、地方自治の当事者へのマインドセットの転換が求められている。
