令和7年第2回定例会の一般質問において、浅井まゆみ議員は「投票率向上に向けた施策」および「誰もが利用しやすい公園づくり」について質問した。
投票率向上については、20代の投票率が34.34%と全世代で最も低い現状が示された。市は、中学生が市長と直接対話するワークショップの開催や、海津明誠高校との連携による新たな「投票済証明書」の作成など、若者が政治を身近に感じるための新たな取組を進める方針を明らかにした。
また、公園整備については、高齢者向けの健康遊具や障がいの有無に関わらず遊べるインクルーシブ遊具の導入が議員から提案された。市は、設置には広い敷地面積の確保や、多機能トイレ・駐車場といった周辺設備の付帯整備が不可欠であるとし、導入には多くの課題があるとの認識を示した。実現に向けた具体的な見通しは立っておらず、行政の慎重な姿勢が浮き彫りとなった。
質問と回答
質問1
海津市における主権者教育の現状と今後の予定が知りたい。
回答: 授業や学校生活における学習機会のほか、今年度は中学生が市長と一緒に市の未来について考えるワークショップを計画している。
質問2
子供同伴での投票を促すために、包括連携協定を結んだ海津明誠高校に投票済証明書のデザインを募集する考えはあるか。
回答: 海津明誠高校の生徒に作成してもらえるよう協議を進めている。
質問3
その他の投票率向上に向けた取り組みが知りたい。
回答: 期日前投票所へ行く際のコミュニティバスやデマンドバスの運賃無料化を実施している。
質問4
今年4月の市議会議員選挙の年代別投票率が知りたい。
回答: 10代が46.47%、20代が34.34%、30代が45.09%、40代が55.26%、50代が57.87%、60代が70.04%、70代が71.83%、80歳以上が51.27%となっている。
質問5
期日前投票に行く際のバス運賃無料化の利用状況が知りたい。
回答: 岐阜県知事選挙では往復利用が14人、市長・市議の同時選挙では往復利用が6人、片道利用が3人となっている。
質問6
令和4年の参議院選挙において行われたバスによる移動期日前投票所が継続されなかった理由が知りたい。
回答: 悪天候時に予定場所へ到着できない課題があるため。その対策としてバス運賃の無料化に切り替えた。
質問7
市内に公園はいくつあるか。
回答: 国が管理する国営木曽三川公園のほか、市が管理する公園は32か所(海津地区に14、平田地区に14、南濃地区に4)、自治会が管理するちびっ子広場は51か所(海津地区に25、平田地区に8、南濃地区に18)ある。
質問8
南濃南部グラウンドに公園を整備できないか。
回答: 災害廃棄物処理計画においてグラウンドは災害時の廃棄物仮置場の候補地になっているため、遊具を備えた公園の整備は考えていない。
質問9
市内に健康遊具やインクルーシブ遊具(障がいの有無、年齢、性別、国籍などに関係なく利用できる遊具)を設置している公園はあるか。
回答: 健康遊具は国営木曽三川公園に1基設置されている。インクルーシブ遊具は市内の公園には設置されていない。
質問10
健康遊具やインクルーシブ遊具の設置を検討する予定はあるか。
回答: インクルーシブ遊具は広い敷地や付帯設備が必要なため、他市の事例を参考に整備の可能性を検討する。健康遊具は、既存遊具の更新時に設置を検討する。
質問11
近隣市町に健康遊具やインクルーシブ公園を整備しているところはあるか。
回答: 健康遊具は岐阜市、大垣市、羽島市、本巣市、桑名市、愛西市、垂井町、神戸町の公園に設置され、インクルーシブ遊具は岐阜市、本巣市、垂井町の公園に設置されている。
質問12
自治会が管理するちびっ子広場で健康遊具を導入する際、補助金を上乗せする考えはあるか。
回答: 現時点ではない。
質問13
市内でインクルーシブ公園の候補地となる公園はあるか。
回答: インクルーシブ公園の候補地となる公園は平田公園である。
質問14
平田公園のローラー滑り台を撤去した跡地の活用方法は何か。
回答: 現在、検討中である。
質問15
平田公園全体の整備について具体的に何を検討しているか。
回答: 開園から約30年が経過し施設が老朽化しているため、特に劣化が著しいグリーンドームやトイレなどの修繕を含め、必要な整備を検討している。
質問16
平田公園は来年度、指定管理者の見直し時期にあたるのではないか。
回答: 指摘の通り、来年度は指定管理者の選定時期にあたる。
感想
少子化と公園の減少という悪循環
子供たちの遊び場を充実させたいという思いには強く共感するが、海津市の人口減少と厳しい財政状況を鑑みると、公園の新設は現実的ではない。むしろ深刻なのは、既存の公園の維持管理が追いついていない現状だと思う。
海津市では草刈りが行き届かず、子供が安全に遊べる状況にない公園が散見される。かつては地域や子供会がその役割を担っていたが、少子化で組織が縮小し、管理の担い手不足が遊び場を奪う結果となっている。
子供の減少が遊び場を減らし、それがさらなる子供の減少を招く。この「負のスパイラル」をどう断ち切るか、限られた予算の使途として極めて悩ましい課題である。
地方議会における議会運営のあり方
今回の質問で「インクルーシブ遊具」という言葉を初めて知った。こうした新しい発想を提示し、市の認識を問うことは非常に意義があると思う。
一方で、一般質問のあり方については検討の余地があると感じた。
40分という限られた時間の多くが、行政の現状確認に割かれるのは惜しい。国会における「質問主意書」のように、事実関係の確認は事前に書面で行い、壇上では具体的な政策提案や議員の信念をぶつけ合う議論に専念できる仕組みは導入できないだろうか。
現状把握を効率化し、より本質的で充実した政策論議が展開される仕組みづくりを期待したい。

