海津市議会 令和7年 第3回定例会 一般質問 松岡唯史議員

海津市

概要

海津市の令和7年第3回定例会の一般質問において、松岡唯史議員は「水害時の避難」と「障がい福祉サービス」の2点について質問した。

水害の避難については、県や国の公表により市内への津波浸水はないとの想定が改めて確認された。その上で、海津町南部の避難体制を強化するため、新たに海津温泉や木曽三川公園センターを避難所として活用する協議が進んでいることが明らかになった。

障がい福祉サービスについては、市内の日中一時支援・移動支援・短期入所が著しく不足している実態が浮き彫りになった。特に、預け先の不在が家族の就労継続にまで深刻な影響を及ぼしている切実な現状が明らかになった。

市は10月の地域自立支援協議会で市内事業所に拡充を働きかけるとともに、グループホーム補助制度についても次期計画策定の過程で検討する方針を示した。

質問と回答

質問1

津波による浸水被害の想定について、市の見解を改めて聞きたい。

回答: 令和4年10月の県公表および令和7年3月の内閣府公表のいずれにおいても津波が堤防を超えることはないとされており、市内住宅地への浸水はないと認識している。

質問2

海津町南部において、津波浸水や洪水浸水を想定した避難所整備の方針はあるか。

回答: 現在、既存の避難所(大江小学校・西江小学校・長良川サービスセンターの3か所)に加え、海津温泉宙舟の湯を指定避難所とするよう指定管理者と協議を進めている。さらに木曽三川公園センター管理棟についても洪水発生時の一時的な避難所として使用できるよう国土交通省木曽川下流河川事務所と協議を重ねている。

質問3

揖斐川が洪水する危険がある場合、揖斐川堤防近くの市民はどのような避難行動を取るのが望ましいか。

回答: 時間があれば南濃地区にある高所の避難所への避難を、スーパー台風時は広域避難(遠方の親族宅や知人宅などへ避難)を、浸水後は上層階への垂直避難を行なうといった状況に応じた行動をお願いしたい。早期避難が最重要であるため、マイ・タイムラインの作成を推奨する。

質問4

海津温泉宙舟の湯と木曽三川公園センター管理棟が避難所となった場合、新たに何名の収容が可能になるか。

回答: 両施設とも何名収容できるかは現時点では言えない。より多くの避難者を受け入れられるよう調整を進める。

質問5

旧西江小学校は民間活用予定で収容可能人数が減る見込みとあるが、いつ頃どのくらい減るのか。

回答: 現在、事業者と契約を調整中のため、確定していない。

質問6

南濃地区へ避難する際、福岡大橋・海津橋が渋滞しないか。

回答: 避難指示の発令後に2〜3時間のリードタイムがあるため、渋滞には至らないと考える。

質問7

高須防災拠点の機能・役割と、工事の進捗状況が知りたい。

回答: 高須防災拠点の役割は、水防活動の拠点となるほか、堤防決壊時には復旧資材の備蓄場所となる。浸水被害を防ぐには堤防の決壊を未然に防ぐことが最重要であるため、下流堤防(帆引新田から海津橋まで)の改修工事が優先されており、防災拠点の整備は下流堤防の工事が完了した後に進められる予定である。

質問8

高須防災拠点の完成にはかなりの年数がかかると理解してよいか。

回答: 現時点では未定であり、しばらく期間がかかると考えている。

質問9

障がい福祉サービスについて、日中一時支援・移動支援・短期入所の各実績と現状が知りたい。

回答: 日中一時支援は19名の利用者がいる(7名が市内の事業所を、12名が市外の事業所を利用している)。移動支援は6名の利用者がいる(市内に事業所がなく、6名が市外の事業者を利用している)。短期入所は16名の利用者がいる(市内1事業所が空床利用型として登録しているが満床のため利用できず、16名が市外の事業所を利用している)。市内では十分なサービスが提供されていないと認識しており、今年度の次期障がい者計画の策定に向けてアンケートとヒアリングを実施するとともに、市内事業所への拡充の働きかけを行う予定である。

質問10

グループホームの現状と課題、今後の整備方針が知りたい。

回答: 市内4事業所で定員74名に対して66名が利用している。今後、次期計画策定に向けたアンケート・ヒアリングをもとに民間事業者による施設整備への支援策を検討する。

質問11

日中一時支援・移動支援・短期入所は、計画を待たず迅速に市内のサービス事業者の確保に取り組めないか。

回答: 今年10月末の海津市地域自立支援協議会において市内事業所に働きかけを行う予定である。

質問12

グループホームの整備への助成や、市直営のグループホームの設置を考えられないか。

回答: 補助制度については計画策定の過程で他市町を参考に検討する。直営運営については現時点では考えていない。

感想

持続可能な福祉サービスの設計を

市は障がい福祉サービスの不足を認めたものの、打開策の提示には至っていない。

サービス不足が家族の離職にまで直結している以上、迅速な対応が求められる。

一方で、人口減少と財政縮小が進む中で、すべての福祉サービスを市単独で完結させようとすることは、行政運営の非効率を招き、サービスの質と量の両面での低下を招くリスクがある。

市内での拠点整備だけに固執せず、近隣自治体との広域連携の強化や、市外サービスの負担軽減など、現実的な選択肢の追求が必要ではないか。

今後、市がどのような実効性のある具体策を打ち出すのかを注視したい。

議員はジャーナリストではない

松岡唯史議員の質問により、市の障がい福祉サービスの不足が可視化されたことは評価したい。しかし、さらに一歩踏み込んだ「現実的な解決策」の提示が欠けている点は、極めて惜しいと感じる。

議員の役割を、単に困りごとを伝えるだけの「伝言板」として満足してはならない。

事実を掘り起こし、問題を告発するだけであれば、それはジャーナリストの仕事であって、議員の仕事ではない。

議員の真の役割とは、市民の切実な訴えを受け止め、それを現実に即した「実行可能な政策」へと昇華させることにあるはずだ。

市民の声を最も身近で聞いている議員だからこそ、行政が見落としがちな現場の実情を踏まえた、実効性のある具体的な提案を期待したい。

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